【コトモ通信】無肥料・無農薬栽培における「雑草の活用方法」
無肥料・無農薬での野菜作りをするための方法をお伝えするために週に1回、会員様に向けて発行している「コトモ通信」。
農家の知恵が詰まった通信です。
「雑草を活用することで、化学肥料も有機肥料も使わない栽培方法ってどうやるの?」という質問が多いので、「コトモ通信」を一部公開します^^
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いよいよ雑草が出始めましたね!
無肥料・無農薬で野菜を育てる際、雑草も野菜が育つための大切な役目を担っています。
上手く活用すれば、ビニールマルチの役割も、肥料の役割も、敷きわらの役割すらも、担ってくれる・・・これが雑草です。
「え?雑草はない方がいいでしょ!」
と思う方もいるかもしれませんが、そうでもないんです^^
雑草は、土の栄養によって身体を構成し、そして生きています。
雑草は、雑草が生きている間に根を伸ばす度に落とす細胞や
生命活動を終えた後の雑草を、エサにして生命活動を行う
土の中の無数の生き物たちによって土に還ります。
つまり、雑草も生命を終えて土に還ると、
それが、それがぐるりと回って、野菜が育つ時の栄養になります。
この自然の循環の原理をうまく活用することで、無肥料栽培というものが可能になります。
では具体的な雑草の管理方法を紹介していきます。
☆雑草の管理方法
雑草を根元から5センチ程度残して刈り、刈った雑草をそのままうねに敷いてください。
刈った雑草を「ふわっ」と乗っけるのではなく、
(野菜の芽などに日陰を作ってしまう可能性などあるので、)うねに張り付けるように敷いてください。
(ピーマン。上記の写真のように、週に1回、前の週に刈って敷いた雑草の上に刈って載せていきます。これを毎週繰り返します。)
そのうち刈った雑草が枯れることで、「わらを乗せたうね」のような見た目になり、
その後には、土に触れた部分から土に還って黒い土のような状態となり、土と区別がつかなくなります。
(玉ねぎ。黒のビニールマルチのように、雑草の光合成を防ぎ、を抑える効果も。)
(すいか。乾燥した雑草は、すいかの下に敷いたりして、ワラの代わりにも使えます。最終的には土に還って栄養に!!)
なぜ雑草を抜かずに刈るかというと、どんどん生えてくる雑草を活用できるし、
雑草の根の周りに生息する生命体の生命活動も活用するためです。
(それらの生命体が、雑草が土に還る手助けをしてくれますし、これらの生命体自身も、寿命を終えた後土に還りこれまた土の栄養となります。)
野菜作りでは、「窒素・リン酸・カリが必要だ、だからそれらを肥料で補てんして…」とよく聞く話だと思いますが、
雑草もそれらの生命体も、窒素・リン・カリウムなどを身体の中に持っているので、
土に還れば、それらが土の中に補てんされます。
(もちろん、肥料ほどの量、もしくは即効性を持っては補てんされませんが。)
また、刈り敷きした雑草が地面にある雑草の小さい芽や種を覆うことで、
光合成ができないので、雑草が育ちにくくなります。
(雑草は畑にある方がいいですが、野菜に日陰を作って光合成を妨げたりするほど育ち過ぎてもNGなのです、例えると「中庸」を目指す、、という感じでしょうか。)
また、これから暑くなっていく夏、保湿にもなります。
(里芋。うねの保湿にもなります。)
雑草が残っていることで毎朝降りる朝梅雨を利用することによって、水やりも不要になります。
雑草があれば、どんなに日照り続きでも、朝畑にいくとズボンのすそが濡れるくらい、朝露が降ります。
(この時間帯に土の表面を見てみてみると、日照り続きでも、土も濡れている状態です^^)
(雑草を長年観察することで、雑草の種類や生える速度などから、土のコンディションを推測する手助けにも。)
★まとめ★雑草を刈って敷くことによって・・・
1、さらなる雑草の発生を抑えられる
2、うねの保湿になる
3、最終的には、土に還って栄養になる!
→ビニールマルチ、肥料(有機肥料すら不要!)、除草剤、水やりが不要に^^
★22㎡の自分だけの体験エリアを持ち、自分で作りながら&農家に教えてもらいながら学べる体験農園
菜園体験コトモファーム湘南藤沢→